【プルブイの効果】トライアスリートにおすすめのスイム練習法
プルブイとは、左右の太ももの間に挟んで下半身の浮かせるために使う水泳の補助具ですが、子どもの頃に水泳教室に通っていた方には「ヘルパー」と「ビート板」は使ったことがあっても、プルブイはあまり馴染みが無いかもしれませんね。
プルブイは、脚で挟むので外れちゃうと危ないからかもしれませんね
ただし、プルブイは水泳をする人の多くが練習に取り入れています。
また、その上プルブイに関してはスイマーよりトライアスリートの方が、練習に取り入れるメリットがとても多いと感じています。
そのあたり、プルブイを使ったスイム練習法についてもご紹介させていただきますね。
【プルブイの効果】トライアスリートにおすすめのスイム練習法
プルブイをスイム練習で使う目的や、メリット・デメリットについて、ご紹介していきましょう!
【プルブイの効果とは?】スイム練習に取り入れるメリット・デメリット
プルブイは、子どもの水泳教室でよく使われるヘルパーと違って、下半身の浮力が増すというところが大きく違います。
スイム練習に取り入れるメリットを見ていきましょう
人間の身体の浮力で1番大きな部分はもちろん「肺」ですが、上半身でも上の位置にあるため、通常下半身は沈みがち。
なるべく浮きやすい姿勢にプラスして、泳ぐために水の抵抗を出来るだけ減らして流線型をイメージした姿勢である「ストリームライン」の練習で足を縛って泳いだりしますが、どうしても下半身は沈みやすいです。
とくにトライアスリートに関しては、スイマーと違ってランやバイクで下半身を鍛えるため、下半身が余計に沈みやすいのです。
キックを打てばいいんじゃないん?
キックを打てば、もちろん下半身は沈まないのですが、その考え方ではキックを下半身を浮かせるためだけに使うようになり推進力になりません。
また、水泳というのは上半身、下半身、体の左右と、いろいろと意識しないといけないことも多く、練習ではそれぞれのパーツごとに集中した方がいいこともあります。
あと、プルブイを使ってキックを打たないでクロールをしてみると、急に遅くなる場合があるのですが、それは体幹がグラグラした状態のまま泳いでいて、キックでバランスをとっているからです。
体がグラグラしたままでは、水の抵抗が多くなり、スピードが上がりにくいのですが、プルブイを使うことで体幹を意識して固定しやすく、グラグラの矯正にもつながります。
左右にグラグラしたボートでは速く進めないということを、想像してもらえばわかりやすいかも
ここまでをまとめると次の通りです。
- 腰やお尻、足の正しい位置を覚えることでキックを推進力にできるようになる
- 上半身の動きに集中して、正しいプル(腕の動き)ができるようになる
- 上半身の筋力アップにつながる
- 体幹の筋肉を使って胴体を固定できるようになり、ストリームラインが安定するようになる
- キックを打たないことで楽ができるので、長く泳ぎ続けられる
でも、プルブイを使った練習ばかりしてると、外すと泳げないのでは?
そうそう、そのあたりも説明しますね
プルブイをスイム練習で使うことのデメリット
「プルブイ癖」ということが起こってしまうかも・・・
プルブイを使う練習ばかりをしていると、キックをしなくても、何も意識をしなくても下半身が沈まないので、プルブイを外した途端に下半身が沈み、泳ぐのがしんどくなることがあります。
ボクうえせいも膝を故障してランもバイクもできず、スイムでもキックが打てないので、数ヶ月プルブイを使ってスイムだけ練習してたことがありましたが、プルブイ無しのスイムがキツくなったことがあります
ボクの場合は、怪我で仕方なくプルブイを使い続けましたが、あまりプルブイを使った練習ばかりというのは良く無いようですね。
ただし、トライアスリートについては、そのデメリットの影響は少ないのです。
トライアスロンのスイムパートと、プールで行う競泳との違いによる理由で、プルブイを使った練習のデメリットは、ほぼ打ち消されます。
その理由とは、次の通りです。
- 海で泳ぐので、海水の浮力が大きい
- ウエットスーツを着るので、身体が沈まない
要するに、浮力が大きくなり下半身は沈まないので「プルブイ癖」があっても、本番のレースでは大きな問題にはなりにくいのです。
もともと、クロールの推進力のキックが占める割合はそれほど多くないうえに、トライアスリートの多くは「2ビート」といって腕の「1ストローク」のうちに2回(競泳では6回する人が多い)しかキックを打たないので、余計に推進力は少ないのです。
それに、トライアスロンではスイムのあと、バイク、そしてランと続くので、脚を残しておくためにも積極的にキックを使わないようにします。
このように考えると、デメリットはあまりないのですが、やはり正しい姿勢で泳いだ方が速いですし、キックもある程度きちんとできた方が、推進力になるので、プルブイを使った練習ばかりをするのはやめておいた方がいいですよ!
それと、水温の関係で急遽「ウエットスーツ着用NG」になることもあるので、その時に焦ることになったりしますからね!
逆にトライアスリート特有のプルブイを使うメリットもある
「海水」&「ウエットスーツ」という条件下では、浮力が大きくなることは説明しましたが、浮力が大きくなる状態での練習ってなかなかできないものなのです。
海でウエットスーツを着て泳ぐ機会はとても少ないので、プルブイだけでも使って浮力が大きい状態での擬似体験をしておくというのは、トライアスロンをするものにとっては、大きなメリットです。
また、競泳選手に必要なくて、トライアスリートには必須のスキルがクロールの途中の「ヘッドアップ」という動作。
コースロープや底に線がない海では時々進行方向を確認しないと、あさっての方向へ向かって泳いでいることがあるので「ヘッドアップ」をしないといけません。
クロールは横向きで息継ぎをするので、息継ぎだけでは前が見えないもんね
ヘッドアップの動作も練習しておかないと、本番のレースではうまくできないものですが、プールでしようと思うと浮力が小さくて頭を上げると脚が沈みがちになります。
そのあたりプルブイをつけておくと、ヘッドアップの練習がしやすくなるのです。
プルブイを使った練習方法
プルブイを使うことで下半身の浮力が大きくなるので、キックを打たずに済み上半身の動きに集中できます。
また同時にキックを打たないということは、体幹を固定する意識をもたないとグラグラしてしまいます。
この特性を利用して身につけたいスキルは次の5つ。
- しっかり水をキャッチできる綺麗な腕のストローク
- できるだけ左右均等なストローク
- 安定した体幹のストリームライン
- 浮力が大きい状態での効率的な泳ぎ
- 無駄の少ないヘッドアップ
実際に行う練習は次のようなものです。
- 大きく少ないストロークで、泳ぐ
ストロークを大きくして、25mプールなら片道何回かを数えて泳ぎます。その回数をできるだけ少なくしていく練習をしてください。
ここでは、綺麗なストロークを身に着けるのはもちろん、体幹がグラグラしていると「スーッと」身体がすすみませんので、しっかり体幹を固定して泳いでください。 - 片手クロール
片手ずつクロールをすることで、左右のバラツキをチェックしながら泳げます。スポーツクラブでよく見かけるのですが、息継ぎをする逆方向の腕がまったく機能していない方がいます。このようになっていないかをチェックしながら、両方の腕できちんとストロークができるようになりましょう。 - ヘッドアップ練習
ヘッドアップをプルブイを使わないでしようと思うと、初心者のうちは脚が沈んでしまってうまく練習ができないです。このためプルブイを使ってヘッドアップの練習をするのが効果的です。
しかし浮力があるとはいえ、あまり大きくガバッと顔を上げてしまうとフォームが乱れてしまうので、ヘッドアップをするときは、目だけが水面に出るくらいで十分です。
効果的なヘッドアップについては、また別で動画をとりますね!
おすすめのプルブイと種類
ビート板兼用タイプ(おすすめ!)
このタイプの特徴は、名前の通りで、ビート板としても使えるところです。
このため、貸し出し用のビート板やプルブイを置いていないプールで練習している方は、このタイプをよく使っています。
うえせいもいろんなプールに行くので、このタイプを愛用していますし、1番のおすすめです!
使い方は凹んでいる方を、脚の付け根に当たるようにして、太ももに挟んで使います。広がっている方が脚の付け根側にくるように装着します。
以降に紹介するタイプよりは、薄いですが、面積が大きいので浮力は十分にありますよ。
女性で脚の細い方や、O脚の方は外れやすいようですね
ひょうたん型タイプ
スポーツクラブや子どもの水泳教室などで置いてある率No1なので、見たことあると思います。
特徴としては、価格が安いことと、比較的コンパクトだということです。
浮力は小さめなので、スポーツクラブなどで一度使ってみた方がいいでしょう。
これで十分だというのでしたら購入してもいいですが、プールで借りれるのなら、わざわざ買わなくてもいいでしょう!
上下非対称型
太ももに挟む上下の向きで、浮力が大きく変わるのがこのタイプの特徴。
ひょうたん型タイプと似ていますが、大きい方を上にしたときの浮力がかなり違います。
スポーツクラブなどで「ひょうたん型タイプ」を使ってみて「ちょっと浮力が足りないかも」と思った方は、このタイプを使ってみるといいでしょう。
形状的にも太ももに挟みやすいですし、おすすめです。
【最後に】トライアスリートなら使わない手はないでしょう
「【プルブイの効果】スイム練習に取り入れる効果」について、ご説明しました。
トライアスロンでは、海水&ウエットスーツという浮力の大きい状態でのレースになるため、トライアスリートにとってはプルブイをスイム練習で使うことによる「プルブイ癖」がつくというデメリットは少ないです。
それよりも、正しい姿勢が身に付いたり、より推進力が得られる上半身のストロークに集中して練習ができるというメリットの方が大きいので、プルブイをスイム練習に取り入れることをおすすめします。
また、プルブイは「ひょうたん型」タイプであれば、プールサイドに置いてあって自由に使えることが多いので、わざわざ購入しなくても簡単に試せるところがいいですよね。
もし、浮力が小さいというのでしたら、この記事で紹介している別のタイプを購入してみるのもおすすめですよ。
水着についてはこんな記事がありますので、読んでみてね!